アーカイブパワハラ問題

パワハラ問題うつ病復帰の部下には、プレッシャー避ける環境を

こちらのアーカイブは、職場のパワハラ問題、パワハラをしないために、招かないためにできることなど、簡単な解説を掲載しています。職場でのパワハラ防止研修や職場でのパワハラ対策啓発の資料として、出典を明記の上、ご活用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)

うつ病復帰の部下には、プレッシャー避ける環境を

最近はうつ病で休職した社員の復職をめぐってのトラブルも増加しています。会社では復職に際して本人のことを配慮して少しずつなれるようにと、簡単な仕事を与えたら「自分にまともな仕事をさせてくれない、これはパワハラだ」という訴えがあったといいます。会社として配慮したつもりでも、本人に納得してもらうよう十分な話し合いをしないと折角の誠意も伝わらないのです。そのためには産業医も交えてどのように復職を進めていったらよいか、本人とじっくり話しておく必要があります。

また「医者は大丈夫と言っているのに、復職をさせてくれない」などの訴えもあります。主治医は本人の意向を反映して復帰可能という診断を出すこともありますが、会社としては産業医の意見をふまえて本当に就業可能かどうかを慎重に判断する必要があります。快方に向かうとエネルギーも回復してくるために、かえって自殺の危険度も増してくることがあります。うつ病の人に「頑張れ」とか「君らしくない」などと励ますことは禁句ですが、逆に腫れ物に触るような不自然な関わりになってしまっても問題です。日常のあいさつや当り障りのない会話で、相手を受け入れているというコミュニケーションをとることは大切です。本人には「ゆっくりと、自分のペースでいいんだよ」と、言葉をかけるのと同時に、目の輝きや顔色、表情や動作をとおして体調の変化にも注意が必要です。

また仕事に支障がでないような体制を組んで、周囲に負担をかけないような計らいをすることで、本人への仲間からのプレッシャーを回避することも大切です。

うつ病で休職後、職場に復帰したが数ヶ月でまた休職という例も珍しくありません。職場に原因があれば本人をいくらケアしたところで職場が変わらない限り、また同じ結果を招いてしまいます。「厳しすぎるマネジメントしている課長が、たてつづけに休職者を出したというので調査したらパワハラがあったため、その課長を解雇した」という企業もありました。私どもの調査によればパワハラを受けて3ヶ月以上たった人の20%が精神科に通っているというデータもあります。大切なのは病気になってからどうするかではなく、ならないように予防することです。職場に過度なプレッシャーがないかどうか、また、誰かを無視するような風潮がないかどうか、そのような職場の力の流れ、空気を読む力を是非養ってください。結果的に一歩引いて職場を眺める余裕は、自分自身をもいたわることにつながることでしょう。

(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)

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