ビジョナリー対談京都大学大学院 総合生存学館(思修館)教授 山口 栄一 氏

  • イノベーション創出のために最適な人材と組織とは?
    「VUCAマネジメント研究会第2期会員募集」

Vol.10 山口 栄一氏(京都大学大学院 総合生存学館(思修館)教授)

今回のビジョナリー対談では、弊社・岡田康子が、京都大学大学院総合生存学館(思修館)教授 山口栄一先生とVUCA時代のイノベーションについて、対談させていただきました。対談の動画はPART1(約13分)、PART2(約8分)の2部構成です。これからの時代の私たちのありようを考えさせていただける山口先生の示唆に富んだ知見を、ぜひお楽しみください。

VUCA時代のイノベーション PART1

  • 山口栄一先生の経歴
  • イノベーションとは、経済的・社会的価値をもたらすようなあらゆる改革行為
  • 一言で言うと、社会革新
  • 日本におけるイノベーション
  • 感性のイノベーションとは、人間として創造力を発揮できる状況
  • 知の越境をすることで感性を豊かにする
  • 国境を越え、フランスで受けた刺激
  • ブレークスルーは慣れ親しんだ世界とは異なる世界に触れることで生まれる
  • イギリスの文化のなかにあるヒント
  • イギリスのイノベーションを可能にしたのはリスクテイクの精神

VUCA時代のイノベーション PART2

  • プロフェッショナルたちの魂を学ぶ
  • ベンチャー支援との関り方
  • 自分の魂磨きのためにベンチャー企業をつくって自らリスクに挑戦するといい
  • 一人ひとりが魂をよりよいものにする感覚で人生を楽しむことが大切
  • 先行き不透明な時代に有効な指導とは?
  • 相手との関りは、寄り添って“共鳴”することから
  • お互いに異なる人生のゴールを認めながら助け合い“共鳴”すること
  • ダイバーシティ経営の有効性は異なる人同士で何かを一緒に作り上げることから

VUCA時代のイノベーション【テキスト版】

VUCA時代のイノベーション PART1

岡田康子 クオレ・シー・キューブ(以下、岡田):
今VUCAの時代と言われるように、ビジネスをやっていても、先が見えない時代になっています。そのような時こそ、イノベーションが必要だと言われていますが、今日はイノベーションの専門家である京都大学の山口先生にお越しいただいてイノベーションについてお話を伺いたいと思います。

山口氏:
岡田さん、こんにちは。楽しみにして来ました。

山口栄一先生の経歴

岡田:
山口先生は物理学を専攻されて、NTTの中央研究所を経て、それから同志社大学そして現在は京都大学でイノベーション論を指導されていらっしゃるということですね。

山口氏:
私はもともと物理学者だったんです。一般に理学部・物理学を出ると、あまり社会と関わらないようなことをやるんですけれども、フランスに5年くらいいまして、フランス時代に「どうも日本がこれから少しおかしくなりそうだ」ということを1990年代の終わりに感じたものですから、帰ってきて、そして全く違う、イノベーション理論を始めたんです。

岡田:
「おかしくなりそう」というのはどういう・・・

山口氏:
90年代の後半ぐらいに日本の大企業がみんな研究をやめてしまったんですね。これを、中央研究所の時代の終わりって言いますけれども。日本は企業が伸び伸びと研究をしていたので、それでイノベーションが大変豊かに、エンジンがかかっていた、そんな国でした。ところが、企業が研究をやめてしまうと大学や国立研究所はそれほどイノベーションに興味がないものですから、これはちょっと大変なことが起きるなあと思って。でも、大企業にいる非常に優秀な科学者たちを引っ張り出してベンチャー起業家にしようということを考えていたんです。

岡田:
すごいですね。その頃に。最近、今おっしゃったイノベーションという言葉をよく耳にするんですけれども、そもそもイノベーションとは何か、教えていただければありがたいと思います。

イノベーションとは、経済的・社会的価値をもたらすようなあらゆる改革行為

山口氏:
イノベーションというのは一言で言うと、経済的もしくは社会的価値をもたらすようなあらゆる改革行為のことなんですよね。ですから技術革新のことではないのです。技術という概念よりも、もうちょっと上位概念で、もともとはヨーゼフ・シュンペーターが言い出したことばで1930年代に「郵便馬車をいくら連ねても鉄道にはならない」ということばが象徴的です。

1+1で全く違う価値をもたらす、新しい価値をもたらすという、そういう概念なわけです。ところがですね、これは要するに1+1は2より大きいという話ですけれども、むしろ0から1を作り出すっていうのももう一個あるわけです。それが科学・技術からのイノベーションということです。

一言で言うと、社会革新

岡田:
とかく私たちはそこのところだけをイノベーションという風に捉えているところがあって私のように技術系ではないと、関係のない世界と思いがちです。

山口氏:
ええ、そうですね。そうではなくて、一言で言うと社会革新のことですね。

岡田:
なので私たちにも関係があるということですね。とは言っても日本人は世界的に比較しても不確実性を回避する傾向が非常に強いって言われていると思うんですけど、そうなるとなかなかイノベーションは生まれにくいと思うんですが・・・


日本におけるイノベーション

山口氏:
おっしゃる通りなんですよね。あのOECD加盟国の中で、日本は一番起業家精神力が低い国だとされているんです。日本人はなかなかリスクに挑戦しないというふうに言われています。けれどもこれは昔からの日本人の性向ではなくて戦後日本の制度設計なんですよね。戦前の日本は非常に起業家精神に富んでいたとよく言われます。
戦後、それこそ敗戦後、日本はリスクに挑戦しなくてもいいような、静かに安定的に暮らせば、それでも小さな幸せが得られるような社会を目指したと言っていいでしょう。けれどもそろそろゲームのやり方が変わってきた、世の中で。これからはリスクにどうやって挑戦するかということを日本人がこれから試していく、そういう時期に来ていると思います。

岡田:
元々はある程度イノベーションを起こすも資質を持っていたのでしょうか。

山口氏:
もちろん、そうです。ですから明治期にたくさんの会社が生まれましたよね。最も起業家精神に富んだ国だったといえます。それから戦後の焼け野原の中にずいぶんたくさんの技術系の企業が生まれました。主として京都でよく生まれましたけれども、これもやっぱり戦後、なんとかこれから新しい社会を作っていこうと、サイエンティストたちが考えたから、そういう社会になったわけです。だけど、終身雇用だったり、それから年功序列だったり、そういう社会設計の中で、大きな会社に入って、それから静かに暮らしていけば幸せが得られるという、そういう社会へ向かったと言っていいと思います。

岡田:
逆に守りすぎみたいなところがあったのかもしれないっていうことですね。

山口氏:
そうなんです。

岡田:
そうすると今、ちょっと先行き不透明な中で、またゼロからスタートしなきゃならないという、本来的なものももしかしたら出てくるかもしれない。

山口氏:
これからが面白い時代になってくると思います。
ですから今まで、潮流は日本の集団思考みたいなことに向いていたわけですけどもそれが終わって、これからはそれぞれ人々の創造性が新しい社会、新しい産業を作る時代になりましたから、これからがちょっと楽しみな時代じゃないでしょうか。

岡田:
先ほどのお話ですと、イノベーションというのは、技術だけでなく、社会全体の革新というようなことだったと思うんですが。技術以外のところ、ちょっと私たちにピンと来ないんですが、具体的にどういうことをおっしゃっているのでしょうか。

感性のイノベーションとは、人間として創造力を発揮できる状況

山口氏:
一つはいわゆるビジネスイノベーションがあると思うんですが、もう一つ私が提唱しているのは感性のイノベーションなんです。感性というのは、人間としての心の豊かさと言いましょうか。人間として創造力を発揮できるっていう状況を感性と呼ぶでしょう。そういうイノベーションですね。

岡田:
なかなか難しいところがあると思うんですが、それはどうやって開発していったらいいんでしょう。

知の越境をすることで感性を豊かにする

山口氏:
一つは、自分の分野だけにずっと、一生その分野だけに遂げるということをやめて、敢えて知の越境をする。知の越境をして、例えば理系の人は文系に飛ぶ。それから理系の人・文系の人は芸術系を見る。そういう形で違う世界を味わって、感性を豊かにするということはすごく大事だと思います。

岡田:
私も京都大学のエグゼクティブプログラムに参加させていただきましたけれども、あそこでは、技術系の方もいらっしゃって、お茶の勉強ですとか、禅の勉強ですとか、いろんな体験をさせていただいたんですが、そういうようなことと考えてよいですか?

山口氏:
まさにそれですよね。アートとサイエンスというのは大変密接につながっているわけです。サイエンティストのものの考え方、今までの概念を壊そうという考え方はアーティストがこれまでの概念を壊そうというのと大変似ているわけです。ですから、その心意気、その心の動きみたいなことを自ら、専門家を目の前にして知るということはとても大事だと思います。

岡田:
なるべく違う分野の人と接するということですけれども、先生自身もある意味で、違うっていうじゃなく、国も超えて、イギリスやフランスのご経験があったかと思いますが、そこでどういう刺激を受けられたか、その体験談をお聞かせいただければ・・

国境を越え、フランスで受けた刺激

山口氏:
まずフランス1993年から1998年まで5年間おりました。まだ若い頃でしたから大変な刺激を受けました。日本の、真面目な規律正しい、そういう生活ではないタイプの生活をとことん楽しむ、そういう人たちの中に入ったわけです。そうすると、12時ぐらいに昼休みが来たら、そのまま(私は南仏に住んでいましたから)カンヌまで車で行くわけです。そしてカンヌでワインを飲みながら2時間ぐらい議論して、2時ぐらいに帰るみたいな、そういう生活をするわけです。最初は罪の意識があるわけですけれども、だんだんとそれが解けてきて、それこそが実際に創造性を沸き立たせるなぁ、ということをとっても実感しました。

岡田:
具体的にはどのようなことですか?創造性を沸き立たせるというのは・・

ブレークスルーは慣れ親しんだ世界とは異なる世界に触れることで生まれる

山口氏:
フランスでは基礎研究をやっていたわけです。それで、行き詰るわけです。で、行き詰った時にもうとにかく煮詰まるまで考えるわけですよね。だけど、やっぱりブレークスルーを得られないんです。だけど、全然私たちが知らない、日本社会ではない社会と触れることで、ある種、心が解放されるんです。その感覚っていうのはとても大事でブレークスルーというのはやはりある程度、煮詰まった後で、そのあとで、何か違う環境の中にポンと放り込まれることで生まれるんだなということをよく実感しました。フランスでは南仏でしたから、スーパーな人たちが住んでいるんです。ですから国境を越えた人たちが、世界中からいらっしゃってます。

岡田:
何かで一流という・・

山口氏:
そうです。何かで一流。何かで中心なんですよね。そういう人たちがいますから、彼らとの会話は大変な刺激になりました。ですから、ナショナリストなんてクソ食らえ。ナショナリストを完全に捨てられる世界がそこにあるっていうところですかね。

イギリスの文化のなかにあるヒント

山口氏:
一方、イギリスはですね、ケンブリッジですから、どっちかというとナショナリスティックです。イギリス人が一番偉いと思っている人たちの中に入るわけです。ここではイギリスの文化にはいろんなヒントがあるということがよくわかりました。

つまり、イギリスというのは、16世紀までは、実はヨーロッパの中で一番劣った国だったんです。取るに足らない国だったと言われていました。ところが突然、16世紀に変貌してしまって、19世紀末までに世界征服をしちゃったわけです。アフリカはほとんどがイギリスの植民地になった、そんな勢いですよね。大変アグレッシブな国になったわけです。それは一体なんだろう?ということを私は随分研究しました。

イノベーションを生み出す源にとって何が大事なのか?ということをずいぶん勉強させてもらいました。イギリスは、ある意味で「パックスブリタニカ」という時代がアメリカにとって代わられて「パックスアメリカーナ」になってしまって、イギリスは今、静かな国になってしまいましたけれども、しかし実はイギリス人の心意気の中にそのイノベーションの源流みたいなものが確実にあるんです。それは大変よく勉強させてもらいました。

岡田:
一言で言うとそれは・・・

イギリスのイノベーションを可能にしたのはリスクテイクの精神

山口氏:
一言で言うと、リスクテイクです。リスクにチャレンジするということをいともたやすく成し遂げる人たちがあそこに居るっていうことですね。特にイギリス人の場合、世界共通語が英語ですからイギリス人の場合は、グローバルにどこでも行けるわけです。こういうのをトランジリエント・パーソンと私は呼んでいます。回遊できる人間ですね。イギリスであろうと、アメリカであろうと。アメリカに居る人たちのずいぶん多くがイギリスから渡ってきた人たち、今現在渡ってきた人たち、ということがよくわかりました。

VUCA時代のイノベーション PART2

プロフェッショナルたちの魂を学ぶ

岡田:
私自身も京都大学のプログラムを受けさせていただいて、本当にまさに、一流の方々、先生方に出会いました。山口先生がよくおっしゃっていたのが、その人の専門研究から学ぶこともあるけれども、その人の生き方そのものから学んでください、とよくおっしゃられていました。その辺りを少しかみ砕いて説明していただけますか?

山口氏:
やっぱりすべては、人と、それから、その人が作り出した創造力を吸収するにはどうすればいいかというところにかかっているわけですよね。ですから、その人が持っている知識はもちろん勉強するんだけども、その人は何でこの知識に興味を持ったかということのほうが、もっと大事なんです。その人が生きている、生き方の中で、そこにそれがないと、どうしても自分は生きられなかった・・というのを得てほしいんです。専門家は、実はそういう思いで研究をしている場合が多いんです。つまり、この研究をしないと自分は死んでしまう、この研究をすることで自分は生きさせてもらっている、っていう感覚ですかね。
私はそれを魂と呼んでいるんですけれども、その魂を見つける作業を一人ひとりのプロフェッショナルたちがやっているわけです。それを横からやってきて、「その魂を教えてください」と言うと、もう嬉しくてしょうがないから、その魂を教えるわけです。そういう学び方をするというのは大変重要なことだと思います。

岡田:
もしかしたら、その魂というのは、私たち普通の人たちでも、何かに一生懸命になって、何かを見つけよう、自分らしさを見つけようと思ったときにあるっていうことでしょうか。

山口氏:
全員に必要なことだと思います。魂を持たずに生きるっていうことと、魂を持って生きるっていうことには決定的な違いがあって、魂を持って生きる、魂の在処を探して自分の魂をどんどん良いものにしていこうという、この感覚が人生をすごく豊かにすると思うんです。

ベンチャー支援との関り方

岡田:
なるほど・・とてもいいお話を聞かせていただきましたけれど、なかなか京大のプログラムを受けたり、海外に行きましょうといったことができないと思うんですが、先生は日常的にベンチャーの支援などもされていらっしゃる辺りで、その人たちとどのような関わり方をして、魂磨きのお手伝いをしていらっしゃるのでしょうか。

山口氏:
まず、ベンチャー企業の場合は、とにかく今、日本が沈みゆく状態になっているので、なかなか大企業の中で、魂磨きができなくなってきてます。ですから、それだったら、自分で飛び出して自分の魂のままに、ベンチャー企業を作るということをやるといいよなぁって思っているんですよね。

自分の魂磨きのためにベンチャー企業をつくって自らリスクに挑戦するといい

山口氏:
いきなり、若者には無理ですけども、ある程度人生の熟達をした人たち、40代の人たちはできれば、ベンチャー企業を作って自らリスクに挑戦をして、それは自分の魂磨きのためにやるような、そういう思いでやるといいよなぁと思うんです。私は大学で、化学創成論というのとイノベーション創成論というのを教えています。これは実はつながっているんです。

一人ひとりが魂をよりよいものにする感覚で人生を楽しむことが大切

山口氏:
イノベーション創成論というのは、イノベーターたちがどんな思いでこの会社を興したんだろうという、その魂を見る授業なんです。実は同じことがサイエンティストたちについても言えて、今までそれこそ、ケプラー、ニュートンから始まって、アインシュタイン、それからハイゼンベルク、シュレーディンガーまでずっとやるんですけど、彼らは、自分たちの魂を求めてサイエンスをやってきた、それはどんな風にしてやってきたんだろうというのを知らせたい、そういう思いで今教えているんです。ですから、一人ひとり、自分の魂をもっといいものにするっていう感覚で人生を楽しむということは凄く大事だと思います。

岡田:
今、それが自分の仕事なんだ、それが楽しいんだという先生自身の魂を触れたような気がしました。一貫してそういう風にしていらっしゃいますよね。

先行き不透明な時代に有効な指導とは?

岡田:
私がそもそもこのVUCAの時代だとか、イノベーションに興味を持っているのは、ハラスメント防止、特にパワハラ防止の教育をしていると、よく管理者が「パワハラ、パワハラと言うと、部下を叱れないじゃないか、指導できない」ってよくおっしゃるんです。でも、そもそも、こういう先行きがわからない時代に、今まで過去はこうだったとか、自分はこうやってきたという指導の仕方がそもそも有効なのかなっていう思いがあるわけです。イノベーション、イノベーティブな人材をどう育てるかというのは、叱ることによっては育たないと思っているんです。その辺り、人の育成について、先生はどうお考えでしょうか。

相手との関りは、寄り添って“共鳴”することから

山口氏:
おっしゃる通りだと思います。ある同僚が現れた、その時の彼との接し方、それは、それぞれ個人として尊重される存在なわけですから、それで引いちゃだめで・・。コミットメントって我々呼んでいますが、コミットメントの感覚がすごく大事で、この彼とどうやったら、共鳴的に共鳴の場を作れるかっていうことをすごく思います。
その人間に寄り添って、その人間が一体どんなことで悩んでいるかっていうことを寄り添って考えるっていうのがまず鍵なのだろうと思うんです。ですから叱れないというような、対峙関係ではなくて、寄り添い関係にする。共鳴するっていうのがすごく大事だと思うんです。私は「共感」という言葉はあんまり使わないんです。

お互いに異なる人生のゴールを認めながら助け合い“共鳴”すること

山口氏:
共感と言うと、ちょっと宗教めいた感じになっちゃうので、スピリチュアルになっちゃうので、そういうことを言っているのではなくて「ああ、なるほどね。お前の感じわかるよ。俺とお前は違う人間だから。人生のゴールも違うよね。人生のゴール違っているけど、でも俺がお前を助けて、お互いに助け合ってやると、何か作れるかもしれないね」という、この感覚。これを「共鳴」と呼んでいます。
人生のゴールの違いを認め合い、認めるんだけれども、お互いに共鳴的にやれる部分はあるよねっていう、この感覚ですかね。

ダイバーシティ経営の有効性は異なる人同士で何かを一緒に作り上げることから

岡田:
最近、ダイバーシティ経営と言われていますけれども、まさに違う人がいて、その人自身というのをよく理解した上で何かをいっしょに作り上げる、一緒にそこまで行かないと本当のダイバーシティの経営の効果っていうのは出てこないっていうことでしょうか。

山口氏:
そういうことですね。おっしゃる通りですね。

岡田:
はい、どうもいろいろありがとうございました。今日は山口先生にイノベーションということでお話を伺いましたけれども、むしろもっと深い哲学的な話もされましたし、私たちが日常的に推進していこうとしている、ダイバーシティ経営のお話などにも近づいたかと思います。今日はどうもありがとうございました。

山口 栄一

福岡市生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科物理学専攻修士修了、1984年理学博士(東京大学)。NTT基礎研究所主幹研究員、フランスIMRA Europe招聘研究員、21世紀政策研究所研究主幹、同志社大学教授、英国ケンブリッジ大学クレアホール客員フェローなどを経て、2014年京都大学大学院思修館教授となる。専門はイノベーション理論・物性物理学。

撮影・編集協力:株式会社インタニヤ
(2019年6月)

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