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ハラスメント相談の現場からVol.63 新型ウイルスの3つの挑戦

Vol.63 新型ウイルスの3つの挑戦

2020年前半は早くも終盤を迎えていますが、四季の移り変わりに身体を浸し、心を休める暇も余裕もなかったことに気づかされます。そして、未だに全世界を席捲している新型ウイルスの猛威は、時間の経過とともに私たちの生活の隅々へ浸透し、思わぬ影響を与えています。

・慣れないテレワークが長引く中、徐々に疲労が蓄積してきたAさんは某日、上司とオンライン会議の折、「今日は体調が悪いので午後休ませて下さい」と伝えたところ、開口一番、「コロナじゃないだろうな」、「ちゃんと自粛しているのか? まさか遊び歩いていないよね」と言われ、ショックで体中の力がへなへなと抜けてしまいました。
・テレワークに入ったものの、手のかかる子どもがいるため業務に集中できず焦りと苛立ちが募る契約社員のBさん。オンラインで打ち合わせ中、「ちょっと失礼します」と中座することもあります。最初の頃は「大変そうだね」と言ってくれていた上司も、最近は「どこかへ預けられないの?」、「それじゃ、仕事にならないね」などと吐き捨てるように言うようになりました。すがる藁すら持たないBさんは、心身ともに声にならない悲鳴を上げています。
・Cさんは、家族に感染者が出たものの濃厚接触者ではなかったため、自主的に2週間自宅待機したのち出勤しました。周囲のCさんに対する接し方はそれまでとは明らかに一変。ふだん同様にふるまおうとして表情が強張る人、関わりを避けようとする人、攻撃的に排除しようとかかる人、など。深く傷ついたCさんですが、このタイミングで長期の休みをとった事実からあれこれ憶測し、不安や恐怖を増幅させる人たちがいても不思議ではない、と自ら言い聞かせ、何とか乗り切ろうとしています。

平時には自然に発揮できた周囲への目配り、配慮や心遣いが一転し、今は周囲を疑いの目で眺め、弱者を排除し傷つけ、自他の間に高い遮蔽物を築くことで自らを何とか〝安全圏″に置き守りたいと願う、そんな現象が蔓延していませんか? そして、そのことが周りとつながっていた堅固な鎖を断ち切ることになり、自らを孤立させる結果となっていませんか?
新型コロナは身体的には私たちの免疫力に、心理的には私たちの共感力に、社会的には私たちの連帯力に、貪欲に挑戦してきているのではないかと思われてなりません。この挑戦をどう受けて立つのか、これは私たち全員に課せられた大命題です。

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