セクシュアルハラスメント問題セクハラ受けない教育は
こちらのアーカイブは、セクハラ問題に取り組む必要性、セクハラを受けないための取り組み、セクハラ行為者にならないための手がかりなどを紹介しています。職場のセクハラ防止策の啓発ツールとして、出典を明記の上、ご利用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)
セクハラ受けない教育は
~断れる営業実績づくりを~
女性の営業職を対象とした研修で、「今日は酔ってもいいんだよ。ホテルがとってあるから……」と抱き寄せられた時、どう断りますか。という課題を出しました。これに対して「お酒は私の方が強いですよ」とか「明日の仕事に影響がでますから」という回答が返ってきました。しかも、甘えた口調で……
これでは本人は断ったつもりでもノーという意思表示には見えません。
なぜノーと言えないのでしょうか。女性の営業職にとって顧客が男性の場合、女性であること自体が購買決定を促す大きな要因になることを無意識のうちに知っていて、それをぎりぎりのところで活用しようとする心理が働くことがあります。営業にとって顧客が待ち望んでいるような魅力的な商品があれば申し分ないのですが、そんな商品はめったにありません。そのために、会社の信用力、情報力などその他の付加価値をつけて差異化を図ります。
次にセールス個人の人間関係力で顧客からの信頼を得る努力をします。まじめなセールスほど「お客様に好かれたい」と思うのは当然のことです。それが多少不快なことであったとしても、「少し我慢すれば……」という打算が働きます。
つまりノーと言えないのではなく、利益を得るために自分で言わないことを選択しているのです。異性から好かれるということだけをセールスポイントにしていたのでは常にセクハラの危険にさらされているようなものです。女性としての魅力に依存するのではなく、営業として必要な知識やスキルを向上させ、実績をあげるような指導することが重要です。
それには相手にこびることや接待による営業を良しとする会社の販売方針そのものも見直していくことも必要です。こうした商習慣の改善はお客様から無理難題を押し付けられ困っている男性にとってもありがたいことでしょう。「お客様でもノーと言ってもいい」と口に出して言っておくことも必要です。
またお客様や取引先でもセクハラの事実があったら放置せずに問題として取り上げていく会社の姿勢も大切です。
営業職だけでなく「はっきりとモノをいうと嫌われるから」「場違いな反応をすると思われたくないから」ということで、ノーと言うことをためらう女性がいますが、「女性だからこうあるべき」と固定観念にとらわれているのは、むしろ本人自身かもしれません。
営業だから…。女だから…。という固定的考えから脱却し、感じたことを率直に表現できる教育をしていくことも大切です。
(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)