セクシュアルハラスメント問題解雇されたセクハラ被害者 米国最高裁判所へ上告
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(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)
解雇されたセクハラ被害者 米国最高裁判所へ上告
女性上司からセクハラ被害を受けた男性従業員が、被害を会社に訴えた後に解雇されたとして争っていた裁判で、2009/4/20、カルフォルニア州最高裁判所は当初会社に対して支払いを命じた1840万ドルの賠償金を240万ドルに減額し、再審理を退ける判決を下した。
訴えを起こした男性はボンズ社の元従業員で、2001年から2002年にかけて女性の上司から、性的なジェスチャーや男性の身体に関して猥褻なコメントや罵りを受けた。男性はこれをセクハラとして会社側に報告したが、その後20数年勤めた同社から解雇され、これを「会社側の報復行為だ」として起訴した。2006年10月に、陪審員は男性の訴えを認め、ボンズ社に対し1840万ドル(167万ドルの補償・1670万ドルの損害賠償)の判決を下し注目を集めた。
判決後、ボンズ社は「セクハラの事実は証明されておらず、また、賠償金が高額すぎる。」として、カリフォルニア州最高裁判所に上告。予審法廷裁判官は原告の男性に対し、240万ドルに減額された賠償金を受け取るか、または上告するかを選択するように求めた。 原告の男性は、減額に対する上訴権を確保したまま賠償金を受理することを決め、それを受けてカリフォルニア控訴裁判所は賠償金の減額を確定し、カリフォルニア州最高裁判所は再審理を退けた。*1
原告の男性は賠償金の全額支給を求めて、現在連邦最高裁判所へ上告している。 被害者にもかかわらず解雇され職を失ったほか、多額の裁判費用や子供の養育費、また結果的に離婚に至るなど失ったものは大きく、減額された賠償額では生きていけないとの思いがある。連邦最高裁判所が審理を受理するかどうかは、当案件の審理を求める意見書の数が多ければ多いほど有利になることから、原告男性と弁護士は、連邦最高裁判所がこの案件の審理をするよう求める意見書を提出するよう、多くの団体に求めている。
折しもこの4月にオバマ大統領によってSexual Assault Awareness Month(性暴力への認識促進月間)が公布されたまさにその月に、カリフォルニア州最高裁判所は審理を退けたことで、国内にある関係団体は職場のセクハラを含む性暴力問題への認識を深める運動を続けている中で、本件の今後の動向に関心が集まっている。
(出典:Los Angeles Times /PR Newswire MediaRoom)
(株)クオレ・シー・キューブ (2009/5/22)