パワハラ問題パワハラ耐性高めるには
こちらのアーカイブは、職場のパワハラ問題、パワハラをしないために、招かないためにできることなど、簡単な解説を掲載しています。職場でのパワハラ防止研修や職場でのパワハラ対策啓発の資料として、出典を明記の上、ご活用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)
パワハラ耐性高めるには
~職場以外に居場所をつくる~
管理職の方々はよく「上司から怒鳴られるくらい昔は当たり前だった」とおっしゃいます。確かに相談を受けていると、「それはパワハラとは言えないだろう」と感じることもあります。でも本人にとって、辛く苦しいことは紛れもない事実なのでしょう。このような問題への対策として、自分のパワハラ耐性を高めるという防衛策も考えられます。
一つは、家族でも趣味の世界でもいいから、職場以外の自分の居場所をつくることです。仕事で否定され自信を失った時に、自分を受け入れてくれる場やプライドを回復できる場をもっていれば、大きなダメージを避けられることでしょう。そこで癒やされることで、元気に仕事に戻ることもできます。
さらに年齢や性別、国籍が違うなど異質な人との交流が増えれば、悩んでいたことからうまく脱却できるヒントが得られるかもしれません。ある友人は「家族を支えるために働く」という10代の中国人女性の話を聞いて、「仕事でくずくず悩んでいたことが恥ずかしくなった」といいます。多様な価値観に触れることで、思い悩んでいた自分をふっと、違う角度から見つめ直すことができるかもしれません。職場だけでなく、自分の居場所を色々な所に確保しておいてください。
あるお笑い芸能人と話をする機会がありました。芸能界ではいじめられ、人扱いされないようなとてもひどいパワハラがあるそうです。しかし、彼らがそれに耐えられるのは「いつかはあの人のように」という夢があるからだと言います。 「そんなことで弱音を吐く奴があるか」という上司の厳しい言葉も、自分の夢を実現するために今、何をすべきかをはっきりさせれば「もっともな意見だ」と受け止めて、乗り越える必要があることなのか、受け流してもいいことなのかを自分で判断できます。 10年後の自分を思い描き、自分でキャリアプランを考えればパワハラ耐性が高まることでしょう。
また、「私なんか…」と、自分を低く評価していないでしょうか。自分が無力だと感じれば、同じように、相手もあなたを無力だと感じるでしょう。その結果、簡単に弱いものいじめの的にされてしまいます。ミスに対するしっ責を素直に聞くことは大切ですが、人格を否定されるような言葉は受け入れる必要はないのです。他人から簡単に人権を侵害させないような、毅然(きぜん)とした意識を持つことが大切です。それにはまず「自分は大切な存在」と自らを認めることです。
毎朝、鏡に向かって「えらいぞ」「いいよ」と言ってみると、パワハラバリヤができるかもしれませんね。
(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)