- Home
- ハラスメント対策の導入事例・実績一覧
- 医療・医薬
- メドトロニックソファモアダネック株式会社 様
ハラスメント対策の導入事例・実績一覧メドトロニックソファモアダネック株式会社 様
導入事例メドトロニックソファモアダネック株式会社 様
パワハラ研修を体系化
コミュニケーションのあり方に注目
- ハラスメント
- パワハラ
- 提供サービス研修
- 規模その他
人事総務
シニア・ヒューマンリソース・ジェネラリスト
池田 様
1.パワハラ(パワーハラスメント)研修について、御社の今までの取り組みについてお話いただけますか?
弊社は、社員数約240名の医療機器メーカーです。主力製品は「脊椎のインプラント(手術によって背骨に直接取り付けられる固定器具)」です。
日本では、膝や股関節の人工関節に比べると新しい治療分野ですが、マーケット自体の伸び率が年間5~10%と高く、この数年、企業間での競争が非常に激しくなっています。そのような状況下で、弊社は製品数の多さと圧倒的な知識・ノウハウを持ち、起業から12年目の現在で約50%のシェアを占めています。
実はパワハラの問題に取り組むきっかけも、業界全体の成長が激しいことと、会社が急成長をとげていることの2つがキーになっています。
というのも、社員の平均年齢が30歳代前半と若く、また管理職にはプレイヤーとして優秀だった人が抜擢されてきた傾向があったため、若手に対する教育が “体育会系”になりがちでした。入社後の研修も厳しく「徹底して」行うため、「ついていけません」と訴える者が増え、退職者に占める若手(在職年数が一年未満の社員)の比率が高くなってしまいました。
そこで「行き過ぎた指導があるのでは?」との反省にたって、管理職層対象のマネジメント教育を見直し、同時にパワーハラスメントの問題についても会社としての取り組みをスタートさせました。
2.クオレ・シー・キューブの研修をお選びいただいた理由をお聞かせください。
2004年9月、当時つきあいのあった別の研修会社からパワーハラスメント研修に強い会社としてクオレ・シー・キューブを推薦されたのがきっかけです。すぐにホームページにアクセスし、メールで弊社の特徴と希望する研修内容を伝え、どのようなサービスが受けられるかを問い合わせました。それからずっと、現在も研修が続いていますが、その都度内容や進め方について意見交換しながらのお付き合いが続いています。
3.研修の内容とその効果については、いかがですか?
弊社ではマネジメント研修を階層別に3段階設け、体系化しています。(下図参照) 最初はグループリーダーレベル、次に営業所長レベル、最上階に部門長レベルがありますが、それぞれの課題を設けています。弊社のポイントは、特に「コミュニケーションのあり方」に注目して行っていることです。様々なコミュニケーションやコーチングの要素を盛り込んでいますが、それと合わせてこの3 階層の全てに対して「ハラスメント予防研修」を実施しました。
メドトロニックソファモアダネック株式会社様教育体系図
研修内容は、まずハラスメントとは何かを知る。次いで、グループディスカッションをし、どのような事柄がハラスメントに該当するのかをリストアップする。最後に、自分たちは何をすればよいのか、何をしてはいけないのかを知る、の3点です。その結果、自身の指導方法を振り返って「部下のためにと思って言っていることがパワハラになり得ることを知り、今後の部下への言葉遣いに注意しようと思いました。」「パワハラの基本的な考え方を学ぶことができてよかった。実際に役に立つと思う。」といった感想が寄せられ、マネジメント層に対するハラスメントに関する一定の共通理解ができたと認識しています。
それだけにとどまらす、一般社員に対しても同様のパワハラ研修を行っています。新人社員が入社1年未満の研修期間中に辞めてしまうのはあまりにもったいない。厳しい中にもやはりきちんと若手を育てていかなければいけない、という意識に立ち、全国10数か所の営業所すべてで、現在研修を進めています。この研修はマネージャーのいない中で行われ、現場のメンバー同士が本音でこの問題に話し合えるようにしています。
研修終了後のアンケートでは「パワハラの具体的な事例を紹介されて、イメージが掴みやすかった」「ハラスメントの受け手として“しかたない”と感じでいた部分もあったが、自分の方からアクションを起こすことで状況を変えられることもあると気づいた」といった感想が寄せられています。
一般社員のみを集めての研修なので率直な意見交換がしやすく、社員にとっては「上から一方的に落とされるのではなく、下から上へあげていくコミュニケーションのあり方」を考えるきっかけにもなっています。営業所の中には、自発的に「上からの指示待ちではなく、今後は自分たちでもミーティングをしよう!」といった意見が出たところもあります。また、コミュニケーションについて部署全体で話し合った結果、実際に部下の受け止め方までに配慮した指導に変わったマネージャーもいます。
4.今後の展開および課題などをお聞かせください。
パワーハラスメント研修を導入する際、パワハラを単なる白黒論で語ったり、「彼はパワハラ上司だから辞めさせよう」という方向へ流れたりするのは絶対にやめようと考えました。
パワーハラスメントは、会社主導で研修を行ったからといって完全になくなるものではありません。“火種”は、いつ・どこにでも存在していると認識しています。大切なのは、火種を大きくしないこと、激しく燃え上がる前に自分たちでクールダウンできるかどうかです。
そのためには、一方的に人事やトップが「パワハラはいけません」と押し付けるのではなく、互いに良くしていこうという姿勢が重要です。
研修導入から3年余りを経て、社内全体に「ハラスメントはよくない」という考えと共に、「パワハラはエスカレートしやすい」「コミュニケーションの問題」といった意識が浸透してきました。若手の退職率も、低下しています。
今後も、「体育会系の厳しさは残しつつ、きちんと若手を育てていく」弊社のカラーに合ったコミュニケーション方法を探りながら、互いのコミュニケーションスキルを磨ける研修を続けて行きたいと思います。
また、セクハラ(セクシャルハラスメント)についても、会社としてのケアをどう行うか検討していきたいと考えています。
- 弊社 岡田康子より -
ご担当の池田様は各営業所や拠点での研修に必ず同席され、メンバーに交じって働きやすい職場づくりを真剣に呼びかけていらっしゃいます。また研修後もそのフォローを続けられています。その成果がでてきたのでしょうか、最近は「以前はあったハラスメントも今はなくなって働きやすくなっている」という声が参加者から聞かれるようになりました。また、パワハラ防止にとどまらず「職場風土は自分たちでもっと良くしていこう」と、そんな議論が進んでいることが素晴らしいですね。
〔2005年現在〕