日本キャリア・カウンセリング学会第28回大会・発表報告2023年11月26日

日本キャリア・カウンセリング学会第28回大会(2023年11月25~26日)において、人と場研究所アソシエイツであり、『就活ハラスメント検討会』のメンバーが就活ハラスメント、ならびにオワハラについての研究発表を行いました。

  • 就活ハラスメント実態調査(学生・就職相談員)の結果と考察
    ―企業・団体、大学の対策実践に向けて―
    〔その1〕対策に取り組む必要性
    〔その2〕アンケート分析結果
    〔その3〕具体的な対策
  • 採用選考におけるオワハラ事例とその考察

当日は、11月末の寒さにかかわらず、大学教員、企業勤務者、カウンセラー等がリアルとzoomで参加、発表後は、熱心な質疑が交わされました。

特に、就活ハラスメント検討会独自に実施した実態調査(※)については、他にはない情報であり聴講者の方々も非常に興味を持たれている様子でした。

※実態調査の調査結果は下記より、無料でダウンロードできます。

就活ハラスメントは、まだまだ社会認知が進んでいないテーマですが、問題の重大性や企業や大学による対策の必要性の声をいただき、改めて解決に向け力をもらいました。

学会発表での質疑応答

① 就活ハラスメント

  • 相談後、状況が悪化した学生が若干いたがその理由は?
    • 具体的な理由は回答でとっていない。
      別の調査を参考にすると、学生が学内で相談した際、
      決めつけによる対応があったと推測される。
  • 本調査の選定方法は?
    • 調査会社との調整で300名程度の回答が必要であり、
      先着順で本調査に入り回答を収集。その後、有効回答のみ残した。
  • マイノリティのハラスメントはどの時点、どういったことで起きるのか?
    • 自身のことを相談、開示した時などが多いと思われる。
      問合せ時点で設備などの問題を相談する時や、内定後に面談の場面など
  • 行為が多かった業種はあるか?
    • 製造業が多かった。

② オワハラ

  • 企業規模によるオワハラの違いはあるか?
    • 規模別のデータはとっていない。今回は具体事例のみ調査した。
  • 相談員はこれら行為に問題意識を持って学生対応しているか、従来の社会常識で対応してしまっているか?
    • 個人差がある。問題視していない相談員もいる可能性がある。
  • この研究で考察ポイントを1つに絞るとどのようなものになるか?
    • 学生には職業選択の自由がある。企業・大学がオワハラと向き合うことで若手人材の定着に繋がるのではと考える。


学会のイメージ写真です。記録写真ではありません。

聴講者の感想(一部抜粋)

  • 就活ハラスメント検討会は非常に意味深い活動だと感じました。エージェントに依頼している企業の責任、自覚なども気になるところです。
  • ハラスメント状況について理解でき、企業に勤める側として意識したく思います。
  • 実態調査の結果は参考になった。
  • コロナ禍以降、就活の方法が多様化して、キャリアセンターも追えてないところがあり、水面下で被害にあっている学生も少なくないと思います。まずは実態を知らねば。だからこその貴重な調査・発表だ。
  • 就活ハラスメントにキャリアカウンセラーとして敏感にならなくてはと思います。

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