アーカイブパワハラ問題

パワハラ問題部下へのパワハラ防ぐには

こちらのアーカイブは、職場のパワハラ問題、パワハラをしないために、招かないためにできることなど、簡単な解説を掲載しています。職場でのパワハラ防止研修や職場でのパワハラ対策啓発の資料として、出典を明記の上、ご活用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)

部下へのパワハラ防ぐには
~仕事状況把握し聞き役に~

IT(情報技術)系企業で働いているAさんは朝の5時に家を出て、夜は12時過ぎという日々が続いていました。そんな日が続いた結果、うつ病になり休職することになりました。今ではそんな働き方をさせた会社が悪い、パワー・ハラスメントだと訴えています。

多くの企業で社員のメンタルヘルスが大きな問題となっています。労働安全衛生法の改正により、企業は月100時間を超える時間外労働があり、疲労蓄積が認められる場合は医師による面接指導を実施することが求められています。よく、きまじめな人がうつ病にかかりやすいといわれていますが、病気になるまで文句も言わずに黙々とがんばっているので、上司も部下がどれほど無理をしているのか気づかないことも少なくありません。

Aさんの場合も、とても優秀な人で会社からも期待され「その期待に応えよう」「自分がやらなければ」と思い、がんばって自主的に残業もしていたようです。強制による残業指示ではなくても、いったん病気になってしまうと、このようなトラブルになることはまれではありません。

まず、部下の労働時間がどの程度になっているかをきちんと把握し、多すぎるようであれば改善指導をしなければなりません。業務である以上「部下が勝手にやった」では済まされないのです。

また、あるシステムエンジニア(SE)は「自分がやるしかない、でも、こんなことがいつまで続けられるのだろうかという不安感でいっぱい。なのに、日々の忙しさの中で将来を考える余裕もありません」と力なく話していました。このように、時間だけでなく心理的な負荷にも注目する必要があります。

特にIT系企業では、技術革新が激しく上司が部下の仕事内容を把握しきれず適切な指導ができない、また顧客先での起きる問題だと、その状況を把握しきれていないため適切な支援ができないという話をききます。

状況を理解しないままアドバイスしたりするのではなく、部下がどのような問題を抱え、どんな思いでいるのかをよく聞くことが大切です。わからないまま下手にアドバイスをすると、逆に「誰にも分かってもらえない」と、さらに孤独感は増加してしまうものです。変化の激しい時代の管理者は相手の気持ちを理解するカウンセラー的役割や、部下自身が問題解決を行うために組織の英知を結集して支援をする、コンサルタント的な役割が求められているのです。

(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせ