パワハラ問題パワハラにならない部下の指導法
こちらのアーカイブは、職場のパワハラ問題、パワハラをしないために、招かないためにできることなど、簡単な解説を掲載しています。職場でのパワハラ防止研修や職場でのパワハラ対策啓発の資料として、出典を明記の上、ご活用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)
パワハラにならない指導法
~必要以上に完ぺき求めない~
パワハラになるからといって部下の指導を怠ると、問題はさらに悪化します。その結果、業績は悪化し、結局は部下を攻撃することにもなりかねません。そうならないためにも適切な指導が必要になります。
部下の指導は、会社や管理者が期待する成果や、行動と現実の部下の行動との間にギャップがある場合、それを埋めるために行うものです。上司が部下の現状を認める気持ちになれないと、否定したり、責めたり、脅したり、罰したりしてしまったりというパワハラをしてしまいます。そのギヤップを何とかしたいと思いながらも、有効な方策を持ち合わせていないと、部下に対してだけでなく、自分へのイライラが増幅し部下への攻撃をさらに強めてしまいます。
では、自分がそのようなパワハラスパイラルに陥らないためには、どうしたらいいでしょうか。
まず、会社や自分の期待が、現在のビジネス環境に即した適切なものであるかどうかチェックすることです。ただ、「成果はかけた時間に比例する」「営業は気合だ。根性だ」と合理性のない指導をするだけでは、部下にとっては負担感が増すばかりです。
必要以上に完ペきを求め、仕事量を増やしている上司も見受けられます。組織目標を達成する最適な方法かどうか、部下も合意できる目標なのか、適切な量なのかどうか、が一つのポイントです。
次は、管理者の期待が適切であるにもかかわらず、部下は思うような行動をとらない場合です。果たしてはっきりと期待が伝わっているのでしょうか。多様な人材が混在する職場で、以心伝心は無理なことなのではないでしょうか。今、管理者には目標をきちんと示し、理解できるように説明することが求められています。
目標を伝えたにもかかわらず、部下が思いどおりに行動しない、期待する成果を出していない場合はどうしたらいいのでしょう。「それではダメだ」「できないなら辞めろ」と否定し、脅すのは逆効果です。思わしくない現状は管理者にとっての問題であっても、部下にとっては問題ではないのかもしれません。
ですから、部下自身の問題として現状を認識させるようにしましょう。部下の欲求を否定し、組織の目標を押し付けるような一方的な指導は、部下の耳には届きません。
「どんな仕事をしていきたいか」「今の目標は何か」と部下の欲求を知り、部下の立場で目標を設定する援助をする。それを組織目標と合致させるよう調整しましょう。目標を自分のものとしたとき、初めて成長への欲求が生まれ、ギャップをどう埋めたらいいかと、自ら悩み始めます。そのときにこそ上司のアドバイスもいきてくることでしょう。
(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)