派遣社員からのセクハラ相談に対して、派遣先としての望ましい対応とは? また、派遣社員対象の教育を実施する必要性は?
- Q最近、派遣社員からのセクハラ(セクシャルハラスメント)相談を立て続けに聞きました。派遣先として望ましい対応とはどのようなものでしょうか?また、派遣社員対象の教育を実施する必要性は?
- A労働者派遣法では、派遣先を派遣労働者に対する事業主とみなす特例を設けています。男女雇用機会均等法もその特例に該当します。(均等法9条3項、11条1項、12条および13条1項)
セクシュアルハラスメント相談についても、派遣先が使用者としての責任を負うということを念頭において、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」に基づき正社員と同様に対応することが求められます。 派遣社員だからという理由で相談に対応しない、相談したことを理由に不利益な取り扱い(契約を更新しないなど)をすることは許されません。
セクハラ被害者は、被害の状況を申し立てる際大きな不安を抱えています。「報復行為が怖い」、「適切に対応してもらえなかったら・・・」、「噂になってしまったら・・・」というようなことを考えて、躊躇してしまうのです。上記に加え、派遣社員として働いている人には「契約を切られてしまうのではないか」という不安があるため、我慢することを選び、だまって辞めていく、また契約が切れたときに外部機関へ訴えて、その後大きな問題に発展するなどの場合も少なからずあるようです。
仮に訴えがないからといってセクハラが横行するような状況を放置していれば、職場の雰囲気はあきらかに悪くなり、モチベーションにも影響を与えてしまいますし、潜在的なリスクを解消することもできません。
そのような状況を招かないために、まずは派遣社員にもセクハラ研修を実施することをお勧めします。セクハラとは何かというような基礎的な内容と、それについての会社の対応・対策など、基本的なスタンスを伝え、どんな相談についても迅速に対応するということを理解してもらうことが重要なポイントです。
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特にセクハラ相談については、
- 相談者のプライバシーは守られる
- 相談者が望まない対応はしない
- 相談したことで不利益は受けないということや、相談窓口の電話番号、メールアドレス、担当者名、利用できる社外の相談窓口があれば具体的に伝えましょう。
また、その内容に付け加えてセクハラを自分が呼び込んでいないか、ということについても考えてもらうことも必要です。必要以上に露出が多い服装、相手の好意におもねるような態度、甘えるような口調は誤解を生み、セクハラの原因になります。本人は気づかずしている場合も考えられますので、職場でお互いが注意しあい、気をつけることによって、セクハラを回避できる、ということを伝えます。 対象者の人数が多い、数ヶ月で派遣社員の大半が入れ替わるような職場もあることと思います。そういった場合には、eラーニングを利用する、セクハラについてまとめた小冊子を配布するなどの方法も考えられます。 多くの企業が主力として派遣社員を活用しながら、特に派遣社員に対するセクハラ教育ということについては手付かずのままというのが現状ではないかと思います。 私どもでセクハラ研修を派遣社員の方に実施した際には、参加者が「会社がきちんと自分たちのことを考えていてくれている」というように感じ、その後のモチベーションによい影響を与えた例もありました。 セクハラの対応について言えば、雇用形態は違えど、同じ職場で働く仲間として同じ情報を共有し、正社員と同様に対応することが重要ではないかと考えます。
(2009年)
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